カウンセリングの「時空」
カウンセリングの場の時空は、
日常的な現実の生活とは違うような気がします。
等間隔で方向がはっきりした時間の流れや
数字で割り出せるような方向、空間の間隔ではなく、
遠くが目の前にあったり、近くが遥か彼方になったり・・・
今は10年前に直に繋がっていて、明日は昨日だったりするような・・
つまりは理屈で割り切れない、三段論法では導かれない、
カウンセリングにはそんな時空が似合っている。
これととても似ているのは、夢の中の世界です。
夢の中では、自分がいきなり小学生になっていたり、
かと思うと次の場面では現在の大人の自分になっていたり、
小学校の同級生だと思っていた相手がいつの間にか今の夫だったり
または会ったこともないタレントだったり、どこかの大統領だったり、
学校の教室にいると思っていたのに、いつの間にか大きな工場の中にいたり、
地下の洞くつの中にいたり、空の上にいたり・・・。
夢というのは、
そういう支離滅裂、奇想天外な展開になるものですが、
カウンセリングも感覚としてはちょっとそれに近いところがある。
いえいえ、もちろん、頭の中では、自分は大人で三十代の主婦で
今は相談室の中でカウンセリングを受けているのだ、
ということが分からなくなってしまうということではないのですが
(そうなってしまったら、ちょっとさすがに怖いですよね)
でも、心の世界では、3歳の女の子になっていたり、
次の瞬間には10代のティーンエイジャーになっていたり、
相手のカウンセラーがかつての怖かったお父さんのように感じたり、
自分がずっと憧れている理想のお母さんに見えたり・・・
そんな感情、感覚の連想の鎖の中で、
理屈では説明のできない時空のワープが起こることがある。
それはたぶん、日常の論理的な思考の“たが”が少し緩んだ状態で
そんなとき、心の中には、1+1=2 でなくてもいいかな、という緩みができる。
もともと、無意識の心の世界には、時間も空間もないのですが、
つまりはどこかでそのシフトの変換のようなことが起きる。
カウンセリングを重ねていくうちに
そういう“緩み”を上手く作れるようになってくると
私たちは、そんな風に、心の中をより柔軟に軽やかに、
行き来することができるようになるようです。
2009.3.23